【販促目的の電子書籍の失敗】99円の販促電子書籍がもたらした悲劇は信用を落としたこと
こんにちは。マーケティング出版コンサルタントの環木琉美です。
販促に電子書籍を活用する方法はとてもオススメなのですが、中味薄すぎ電子書籍は信用を落とします。99円販促電子書籍の内容とは?
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99円の電子書籍の内容があまりにも薄すぎて腹が立ったこと
書籍99円、いえ、99円もする電子書籍を買ったんです。Webで案内されていて、表紙もしっかりとしていたし、なんといっても、中味が第9章まである本。集客の手法を紹介した本でした。
これを買ってみた理由は、99円で売る販促用の電子書籍の内容はどれぐらいなものだろう?という調査の一環でした。
実は、今、新しいWebサイトを作っていて、その中の記事の1つとして、「販促に使う電子書籍の定価はどれぐらいつけたらよいか」というテーマが1つあるのです。
私としては、販促用に電子書籍を
書くならば、内容35,000字程度(普通のビジネス書籍の半分程度、100ページ~120ページ程度)のものを推奨しています。だから、あまり安くしてもよくないと考えていて、500円程度ならば、販促本として購入しても、そこで得られる知識が十分であれば読者は満足すると考えるわけです。
でも、一般的に、販促目的で安く本を出している人は、この辺をどのように考えているのだろう?と謎でした。
質が低い本は読者を不快にさせるどころか自分の信用を無く
この書籍は、販促ツールとしてはちょうどいいテーマと内容だと感じたのですが、やられた!という、詐欺にあった気持ちで一杯です。
たった99円ですけど・・・。
しかし、世の中には、本当に、ふざけた輩がいて、「おまえ、これが”書籍か”!」とケチをつけたくなるような、質の低いものもあるのです。
もし、その質の低いものが無料だったら、まだ許せます。無料だからしょうがないか、と。
しかし、この99円の書籍は、目次を見ると「9章」ありました。サンプルの最初の部分を読んで購入したのですが、9章というのはとても大げさで、言い換えると「9項目」。つまり、ページにして2~4ページ程度が1章という単位でした。あまりにもふざけとる!
ものの3分ぐらいで読めました。
そして、それがものすごく貴重な情報だったら文句はいいません。
しかし、内容は、ざっと表面をなぞって、最後は「動画を見てね」という案内に過ぎませんでした。
動画は見なかったけど、書店での購入者のコメントに、「動画は見たけど、本とほぼ同じ内容で、何の進展もなかった」と書いてありましたので、見なくて良かったわ、と思いました。
テーマは、確かに斬新なものなので、こちらは、書籍を買ったらある程度の表面的な知識は知りたいものです。
しかし、それすらも書いてない。まるで、1ページのランディングページで顧客を誘導するような内容であって、あまりにも、内容と表現の薄さに、著者の人としての軽さを感じました。
本当はどんな人か知りません。真面目な人かもしれませんし、良い人かもしれません。
しかし、その本を手にとった人は、不満を抱くはずです。
私は、自分だけが良い思いをすればいい、と心の底では思っているんだろうなー、と考えてしまいます。
それは、人間としてまだ未熟な若さゆえなのか、もともと強欲なのか、金に目がくらんでいるのかわかりません。著者を知らないから!
一方で、その電子書籍には、★5のコメントがいくつもついている。これは、自分のクライアントや知り合いにでも書かせたもの
に過ぎないだろうなと思います。
「素晴らしい内容です」なんて書いてあったけど、「ウソつけ!どこがだ!」と思わずパソコンの前で声を発したほどでした。
間違った本を出版したらあなたの評価が下がる
これから本を書いて出版することを考えている人は、これを反面教師にしてください。
AmazonのKDP(Kindle Direct Publishing)は、誰もが自由に表現して本を出版できる自主出版を目的としたサービスを提供し、本の出版に自由を与えました。
しかし、自分で本をプロモーションするということは、一つ間違えると、自分自身で自分の首を占めることになるのです。
99円と言えども読者からお金をもらって提供する情報に対して、儲けることだけ考えて、読者のことが考えられていないというのは、信用を落とすことにつながっています。
もったいないですよね。
で、本を読んで「ふざけとる!」と思ったら、読者の評価は下がるわけですし、悪いコメントも書かれます。
それらは、人は見ていないようでちゃんと見ていますから、著者のわからないところで、どんどん信用を落としているということなのです。
自分でプロモーションしていけば、出版社を介さなくても道が開ける素晴らしいしくみを、もう少し頭を使って、有意義に活用していきたいものです。
購入額以上の価値を読者が感じる内容にすれば、信用がアップする
もし、この本が丁寧に書かれていて、この本1冊で、とりあえず全体像をつかむことができ、もしかしたら、自分でやったらできるかもしれないと思わせるぐらいギリギリのところまで説明がされていたら、私の感じ方も捉え方も違ったことでしょう。
中味が良ければ、99円でいいの?申し訳ないなあー・・・じゃ、せめてお礼に、感謝のコメントを書いてあげよう、と思ったかもしれません。
いや、それどころか、最後に動画の案内やセミナーなどの案内があったら、興味を持ってそこにアクセスしたかもしれません。
結局、これが信用を得る第一歩だと思うのですね。
値段じゃないのです。たとえ、値段が1000円であっても、それを買った読者が、1000円以上の価値は十分にある、と思わなければ、顧客満足は得られないということです。
Web時代は、情報公開が1つの鍵になります。
Webを調べれば無料でどこまでもすごい情報を手に入れることができます。人々はそれに慣れていることを忘れてはいけません。
販促として本を書くのであれば、どこまでは無料で情報を提供する、ここからは有料で、という線引を自分の中でしっかりとしておくことが大切です。
情報を出し惜しみするのではなく、出せるところまで出してしまったほうが、Web時代は信用を得ることができます。
この出来事で、やはり、ビジネスは、お客様を大切にする気持ちがなければ信用は生まれない、と再確認しましたね。
内容が小説やノウハウを知るための本の類だったら、「この人の本はもう読まない」で終わるかもしれませんが、販促本だったゆえに、「この人の商品やサービスは絶対に買わない」という気持ちになってしまうわけですから、お客を取り逃がしちゃいましたね、この方。
販促は優良顧客を求めて、丁寧に!
結局、こういうのは、ブランディングもマーケティングもなんのこっちゃの起業初心者などがひっかかっていくのでしょうね。
ビジネスで大切なのは、数撃ちゃ当たるでやみくもに人を集めるのじゃなく、自分が誠意を持って行うサービスを、ありがたく受け取ってくれる優良なお客様を集めることです。
そこを目指していかないと、ビジネスの継続は難しくなりますし、常に常に新しいお客様を求め続けなければなりません。
投稿者プロフィール
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マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。
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