【電子書籍マーケティング4】商業出版では実現できない電子書籍戦略の利点
マーケティング出版コンサルタントの環木琉美(たまきるみ)です。
今回は、「電子書籍活用でマーケティングを成功させる9つのポイント 」で紹介している「Point4.商業出版では実現できない電子書籍戦略を知る」について詳しく解説していきます。
Table of Contents
商業出版では実現できない電子書籍戦略とは
「本を書きたい」と考えているあなたは、将来、どんな方向を思い描いていますか?
専門性が高く、書くことが好きであれば、作家になりたいという夢をもっているかもしれません。
そうではなく、今のビジネスを継続していくための本を出版するのであれば、一般的な商業出版よりも、電子書籍のほうがおすすめです。
なぜなら、作家を目指すための出版と、ビジネスの一環として出版は、ベクトルがやや違うからです。
大きな出版社から本を出すということは、名前にハクが付きますし、自分の欲求を満たすには最適です。
しかし、商業出版の目的は、世の中のより多くの人が望んでいる情報を提供していくとことがまず第一にあります。
一方で、自分のビジネスの一環で書く書籍の目的は、最終的に商品やサービスに興味を持って、価値を感じてもらうことです。この時点で、本の目的がそもそも違っているのです。
専門家として、これから作家としても活躍していくのであれば話は違いますが、優良顧客を得るために自分のビジネスの一環として書くのならば、制約なく自由に書ける電子書籍をおすすめです。
ビジネスに活かす電子書籍の利点はたくさんあります。それらについて、よく知り、適切な選択をしていきましょう。
中には、「経営者は電子書籍で出していたら終わり、最初から商業出版を狙わないとだめだ」、という出版コンサルタントも存在しますが、ある意味それは事実でありますが、一方で事実ではありません。
要するに、本を書く目的によって、選択肢は違ってくるということです。
そこで、ビジネスに活かす電子書籍の利点を見ていきましょう。
出版までの期間がスピーディー
電子書籍を、実際にAmazonで手続きして出版するまでの時間は、今や1日もかかりません。出版する時間帯にもよるかもしれませんが、私の体験では、半日もかかりませんでした。驚くほどすばやく出版が実現できます。
ですから、ビジネスに活かすとしたらビジネスのスピードアップが望めます。
商業出版の場合は、出版社に企画を出してから、結果の返事が来るまでに時間がかかります。さらに、原稿をアップしてから、ゲラ(版下)が出てくるまでにも時間がかかります。そこに校正作業が何度か入り、ゲラを完成させ、最終的に印刷・製本・流通という流れで書店に並びますが、ここまで何ヶ月もの時間がかかります。
本を出すと決めてから、実際に実現するまでに1年、2年とかかるかもしれません。すると、その間に、時代の変化もありますし、あなたのビジネスそのものにも変化が出ているかもしれません。すぐにでも販促としてお客様を集めたいと思っていても、商業出版にこだわっているばかりに時間を無駄にしてしまうとしたら、もったいないですね。
今伝えたいことを、すぐに伝えられるとう点では、スピーディーに出版できる電子書籍活用はとても有効であると言えるのです。
本の総ページ数は少なくてよい
一般的に、商業出版で紙の書籍を出版するときは、原稿をたくさん書くことが求められます。
そうしないと、本としての体裁を保つことができませんから、だいたい180ページ~200ページ程度を目処に書くことが多いです。文字数に換算すると、8万字~10万字程度が平均的です。もちろんそれ以上書いても問題はありません。
しかし、電子書籍は、端末で読む負担を考えると、少ないページ数で言いたいことをコンパクトにまとめたほうが、読者にとって読みやすいと言えます。
スラスラと画面を指でスワイプして読んでいける電子書籍では、ある程度の時間で、最初から最後まで一気に読ませることができるように仕上げることも、販促では大切になってきます。
大切なことは、「読者に最後まで読んでもらうこと」です。しかし、ページ数が多ければ、途中で読むことを止めてしまって、そのまま端末の中で眠ってしまうことになりかねません。ですから、伝えたいことをギュっと絞り込んでコンパクトに書いたほうが良いわけです。
そう考えると、執筆に対する不安や負担は大幅に減るはずですから、気持ちも楽にすることができるのです。
また、POD出版にした場合も同様なことが言えます。ページ数が少ないと、当然、本の仕上がりは薄くなります。
しかし、かえってそれが良いのです。読手の負担も減らすことができるのです。これによって、販促目的で本をもらったとしても、ちょっと見てみようと開いてもらえる可能性が高くなります。
皆さんも経験があると思いますが、知り合いが、出版したからと言って献本してきた本を読みたいと思いますか?
内容に興味があれば読むかもしれませんが、そうでなければ、今度読もうぐらいにして、パラパラとページを開いて後回しにしませんか?
そして、やがて存在を忘れられてしまうのです。
一方で、もらった本が薄くて読みやすそうであれば、とりあえずは開いてみる気にもなるものです。
興味が抱けない分厚い本は敬遠したとしても、薄くて読みやすそう、さらに、持ち運びにも負担が無いと思えば、電車の中で読んでみようかという気持ちになるかもしれません。
そういった心理を考えると、販売促進の本として、電子書籍もPODによる薄めの紙の書籍も、見込み客にはありがたい形態でもあると言えるのです。
関連リンク POD
電子で読むか、紙で読むかはお客様が決めること
「本はやっぱり紙でなくちゃ!」と言う人は少なくありませんが、著者がそれにこだわる必要はないと考えます。
なぜなら、本を読むのは著者ではなく、読者だからです。読者のすべてが「紙がいい」というわけでもありません。もはや、PDFなどの電子文書を読むことに人は慣れていますし、電子書籍のほうが良いと言う人も数多くいます。
だから、読者がどちらでも選べる選択肢を与えておくことは、マーケティング手法としても必要です。
仮に、ターゲット年齢が高く、読者のほとんとがおそらく電子書籍を読むことを躊躇するだろうという場合は、紙の書籍を活用する比率を上げれば良いことです。たとえば、紙の書籍にしたものを、資料請求されるお客様には郵送するシステムを取り入れるというようにです。
著者の主観がすべてではありませんから、まず考えなければならないことは、お客様がどうなのか?という部分です。
「紙しか出さない」などとこだわっていると、肝心なお客様を取り逃してしまう確率も高くなるはずです。
電子書籍はコストをかけずに長く売ることができる
電子書籍をAmazonで販売することの利点は、なんといてもコストがかからないことです。
実際にコストがかかるときは、電子書籍が売れたときに配信手数料が引かれる程度です。書店に並べていくこと自体、経費がかかることではありません。もし、Amazon以外の電子書籍書店で販売すると、書店によっては、月額500円程度の手数料がかかることがあります。
コストが浮いた分、Amazon内で広告を出す費用に回すこともできます。
また、電子書籍を長く書店に並べることができるのは大きな利点です。
商業出版で紙の本を出版した場合、実際には、書店に並べられる期間は短いです。毎週、新刊が大量に出版されますから、出版したすべての本が書店に並べられる時代ではないですし、書店に配本されてもダンボールの箱が開けられずに返品されることもよくあることと聞きます。
たとえ並んだとしても、1ヶ月も並べば上々です。
一方で、電子書籍は、出版を続けている限り、ずっと書店に並べておくことができます。
実際、当方で4年~5年前に出版した書籍もいまだに毎月売上があります。数字はわずかといえども、普遍的なテーマを扱っているので、興味がある方は購入してくれます。
また、Amazonの無料読み放題サービスでも読めるように対応しますが、これは予想以上に数字が出ています。電子書籍を買うところまではいかないまでも、無料サービスだったらとりあえず読んでみようと、気になって本を読んでくれる方もたくさんいるのです。
読んだ分だけカウントされ、こちらに数字があがってきますが、このカウント分だけでも、電子書籍数冊分の売上が発生することもあります。
あなたのビジネスが世の中のニーズにあり続けるのならば、ビジネスの一環としての電子書籍活用は、末永くあなたの営業マンとして、あなたのメッセージを未来のお客様に届けてくれるのです。
関連リンク Amazon読み放題の話
投稿者プロフィール
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マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。
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