【電子書籍マーケティング7】本の詳細情報はしっかりと書く
マーケティング出版コンサルタントの環木琉美(たまきるみ)です。
今回は、「電子書籍活用でマーケティングを成功させる9つのポイント 」で紹介している「Point7.本の詳細情報はしっかりと書く」について詳しく解説していきます。
Table of Contents
kindle本の詳細情報で書く内容
kindleでの電子書籍出版するとき、本の詳細情報を書いていく必要があります。
実際に、出版時に設定する内容は、次の項目です。中でも、ラインが引いてある項目に関しては大切な部分です。
●言語
●本のタイトル
●サブタイトル (オプション)
●シリーズ (オプション)
●版 (オプション)
●著者
●著者等 (オプション)
●内容紹介
●出版に関して必要な権利
●キーワード (オプション)
●カテゴリー
●年齢と学年の範囲 (オプション)
●予約注文
本のタイトル
書店へ行くとよくわかりますが、本には実に多くのタイトルがついています。
まず、私たちは、本の何をみるかというと、タイトルではないでしょうか。まず、タイトルで興味を引かないと、いくら内容が良くても本自体に興味を持ってもらえません。
本のタイトルのつけかたの考え方として、まず大きなポイントは次の2つです。
- 読者の目に止まる
- 検索結果の中で埋もれないように、独自性のあるタイトルをつける
読者の目に止まる
ここのポイントで、参考にしたのは、売れているビジネス書のタイトルです。次の一覧は、2019年2月初旬のAmazonのビジネス書カテゴリのベストセラーの一部です。これらを見ると、タイトルでかなり人をひきつけていることがわかります。
ー1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
ー反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
ー嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
ー入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました
ー伝え方が9割
ー死ぬこと以外かすり傷
これらの特徴は、「読者への究極のメッセージフレーズ」になっていることです。
タイトル1つで、この本で何が言いたいことがわかります。
たとえば、3つ目の「嫌われる勇気」では、サブタイトルに、”自己啓発の源流「アドラーの教え」”とあります。これを、もしメインタイトルにもっていったとしたどのように印象が変わるでしょうか。
ー 自己啓発の源流「アドラーの教え」ー嫌われる勇気ー
このようなタイトルは、なっていたら、本のタイトルの王道とも言える付け方です。要するに、本の内容に何が書いてあるかをまとめて1つの言葉にしてあります。
ただ、「本を売る」という過程のことを考えると、「自己啓発」に興味がある人の目は引くかもしれませんが、そうでない人はスルーするかもしれません。また、サブタイトルに「嫌われる勇気」と書いてあっても、サブなので今ひとつインパクトが薄れていまいます。
しかし、この本で一番言いたいことを、「嫌われる勇気」というフレーズでズバリと表し、メインタイトルに設定すると、確実にターゲット層が広がります。
これに対する読者の反応は様々でしょう。人に嫌われていることで悩んでいる人だったら、「嫌われていいのか?」と思うかもしれません。
そうではなくても、「なんか人間関係についてすごいことが書いてありそう」と予想するかもしれません。
このように、メインのタイトルによって、読者の気を引くことがどれだけできるかが、本を手にとってもらえるかどうかにつながっています。
本のタイトルがどのようについているかは、このように出版された本のタイトルから探っていくことができます。
検索結果の中で埋もれないように、独自性のあるタイトルをつける
ただし、ポイントの2つ目に述べたように、電子書籍は、「検索結果の中で埋もれないように、独自性のあるタイトルをつける」ことも大切になってきます。
書店で本を並べた場合は、人は目からイメージを入れて興味をいだきます。ですから、先に紹介した「嫌われる勇気」のタイトルにように、目で見て興味を持つことができますが、電子書籍の場合は、イメージよりも、「検索キーワード」から見つけてもらうことが多いはずです。
電子書籍書店の一覧を全部見て本を買うというよりも、探しているテーマの本を検索するほうが多いのではないでしょうか。
すると、インターネットで検索されるキーワードをタイトルに含めていくことはポイントになります。
理想は、本の内容を表す究極のメッセージにキーワードを入れたタイトルにすると検索されやすくなるでしょう。
また、「サブタイトル(オプション)」を設定して、やはり、キーワードを含めてサブタイトルを入れていくと、それだけ検索対象が増えますから、電子書籍の場合は、サブタイトルもつけていくことをおすすめします。
本のタイトルをつけるときに気をつけたいこと
タイトルをつけるときに気をつけなければならないことは、本の内容と関係のないタイトルをつけることです。時に、そのような手法でひと目を引く本もあるかもしれませんが、あまり好ましくありません。
また、「~してはいけない」、「~するな」という否定的なタイトルは、人の不安や恐怖に対して訴求はできますが、販促の書籍タイトルとしては、読者の受け取り方に差がでてしまいがちなのであまりおすすめできません。
確かに、タイトルとしては面白いかもしれません。実際に出ている書籍でも内容もタイトルからイメージするほどのものではなく、真っ当なことが書かれているかもしれません。しかし、タイトルで嫌な感情を抱く人は少なからずいます。それは、新規顧客へのアプローチとする書籍ではマイナス作用に働きかねません。
本のタイトルではありませんが、最近、映画のタイトルで「万引き家族」というのがありました。
私は観ていないので内容はわかりませんが、このタイトルからは、「万引き」という良くない行為がイメージされます。
きっと観たら良い映画なのかもしれませんが、なんとなく観る気が起きずに観ていない方も少なくないのではないかと感じます。
タイトルは、できるだけポジティブな方向で気持ちをアップさせるようなもののほうがおすすめです。
内容紹介
電子書籍をAmazonで出版するとき、内容説明を自由に書くことができます。このとき、本の紹介をしっかりと書いていくことをおすすめします。
ここが、本の第一印象となって読者に伝わるところですので、読者に十分な知識を与えていくことを意識していきましょう。
電子書籍は、書店で手に取る紙の書籍のように、じっくりと立ち読みして購入できるものではありません。本のタイトルや表紙だけでは、購入するかどうかの判断ができないことがあります。
そのようなとき、この本の内容(詳細情報)が肝になるのです。
特に、個人が出版する本では、内容が手薄だったり、目次が紹介されていない例をたくさん見ますが、これでは、購入してもらえないケースも少なくありません。魅力的な内容にしあげて、効果的にプロモーションしていきましょう。
AmazonKDPのガイドページでは、本の詳細内容の書き方の記述のヒントがここにありますので、まず、引用します。
本の内容紹介を入力するには
本の内容紹介は、Amazon の本の詳細ページに表示されます。多くの場合、本に対する読者の第一印象は、この内容紹介によって決まります。したがって、魅力的な内容紹介を書けば、本を効果的にプロモーションできます。だからこそ、書き方には工夫が必要です。何百万冊もの本の中からその本を選んで購入してもらうには、比較的少ない文字数で本の魅力をアピールする必要があります。
この難題を避けて通るわけにはいきません。効果的な内容紹介を書くためのポイントは、シンプルで、魅力的で、稚拙でないことです。
●シンプルであること
主要なプロット、テーマ、またはアイディアのみを記載します。あまりに複雑な情報を盛り込むと、その本を購入するかどうかを短時間で判断したい読者を遠ざけてしまうので、必要以上のことは書かないようにします。また、短くシンプルな言葉づかいを心がけます。1 段落に含める文章を適度な長さに抑え、簡単に検索できる文章をいくつか含めます。
●魅力的であること
詳細に立ち入りすぎないようにすると共に、読者の関心を引く仕掛けを盛り込みます。たとえば、読者の関心を引く文章を先頭に置きます。最初の文章は読者の第一印象を左右する可能性があるので、特に重要です。また、本の内容を想像しやすくするためにジャンルを明示します。
●稚拙でないこと
繰り返しになりますが、内容紹介は読者の第一印象を左右する可能性があるので、誤字脱字や文法の誤りがあってはなりません。何度か見直してもうまく編集できない場合は、他の人に見せてアドバイスをもらうのも有効です。
(KDPジャンプスタートより引用)
上記の「シンプルであること」に書いてあるように、本の詳細内容は、「プロットとテーマまたはアイディア」を書けば十分です。
プロットとは、本の目次構成です。これを詳細内容に書くことは必要です。できれば、大まかな章だけでなく、各章の項のタイトルまでは書いておきたいものです。
テーマまたはアイディアは、簡単にいうと「本の概要」を書いて、この本に何が書いてあるかを簡単に示します。
特に書き方に決まりがあるわけではないのですが、「本の概要」→「プロット」の順で書けばよいでしょう。あと、特筆することがあれば、「著者からのコメント」を書いても良いでしょう。
いずれにしても、シンプルにわかりやすくまとめましょう。
売れている書籍の内容紹介を参考にすることもおすすめします。
また、この「詳細内容」には書いてはいけない事項があります。内容紹介に以下の情報を含めることは禁止されていますの気をつけましょう。
本の詳細内容に書いてはいけないこと(KDPヘルプより引用)
ーポルノ、わいせつ、または不快感を与えるコンテンツ
ー電話番号、住所、メール アドレス、または Web サイトの URL
ー在庫状況、価格、他のストアでの購入情報 (注文できる他の Web サイトへのリンクなど)
ー期間が限定されている内容 (キャンペーン ツアー、セミナー、講演の日程など)
ーキーワードまたはタグ
カテゴリー
自分の本に最低なカテゴリーが何かをみつけるには、まず、Amazonのカテゴリを検索してみましょう。
電子書籍の場合、Kindle<Kindle本というヘッダーを選択し、左側で関連する参照カテゴリーを探します。
自分の本と同じテーマの書籍がどのカテゴリにあるかを調べて、それらを参考にしてカテゴリーを決めても良いでしょう。
投稿者プロフィール
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マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。
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