Kindle以後10年 ─ BOOK1: Web時代の出版とKindleの十大発明

WEB時代の出版とkindleの十大発明

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「Kindle以後10年 ─ BOOK1: Web時代の出版とKindleの十大発明」
鎌田 博樹  (著)

電子書籍です。KindleUnlimiteに対応しています。

著者の鎌田氏は、「E-BOOK2.0Magazine」を発行されていて、この書籍もサイト経由で知りました。

この書籍は、Amazonのkindleビジネスについての10年間の考察をまとめたもので、Amazonという会社やビジネスに興味ある方には、面白く読めると思います。

 

この本を読んで、私は、kindleの電子書籍についても、KDP(kindle direct publishing)についても、結構な誤解をしていたなと感じました。私が、というより、日本の市場が、と言ったほうが良いかもしれません。

日本では、紙の書籍出版と電子書籍出版は、紙が電子になっただけ、という考え方をしている節があります。

電子書籍出版を手がける私としては、「そうじゃないよ、電子書籍は電子書籍なりの本の作り方、売り方がある」と言ってきていますが、結局、日本流の出版システムからの脱却ができていません。

だから、電子書籍の普及は今ひとつです。

しかし、この本を読むと、kindleは、最初から、「従来型の出版システム」とは全く別のものとして考え、kindleサービスを開始しています。さらに、KDPは、Web上で、自分が著者/出版社となり、制限なく自由に本を出版し、販売していけるシステムです。

著者は、「出版社に運命を委ねるよりは、出版することでWEB上での読者と評価を得る」仕組みだと言っています。

つまり、KDPは、従来の書籍出版システムの代わりになるものなどとは考えておらず、最初から、Webでのコミュニケーションによって成立する出版システムだったのです。

そして、kindleの電子書籍の考え方は、従来の書籍出版が「正装した本」を流通させるビジネスであるのに対して、電子書籍は、「正装しない本」が前提で、コンテンツを先に読んでもらい、評価を得て、本を成長させていくことができるものだとしています。

KDPは、確かに、出版後の修正や訂正はできますし、自分で出版をやめたければ止めることもでき、続きを出したければ、それも自由です。

ライターだけでなく、ビジネスをやる人も、個人の楽しみをもっと広げたい人も、これからの時代に欠かせない情報発信ツールとして、画期的であり、インターネット時代だからこそ存在できる出版システムを、Amazonが無料で提供しているのです。

アメリカでは、Amazon戦略は成功していて、電子書籍もかなり普及していますが、日本ではまだまだ。今後、日本で、電子書籍が急速に成長するかどうかはわかりません。が、長い目で見ていくと、従来型の書籍出版システムは、コンテンツの絞り込みが顕著になっていくでしょうし、売れる著者、あるいは、売れるタイトルで勝負していかなければならなくなるでしょう。

紙の書籍がなくなることはないと思いますが、これから10年、20年と経ったとき、若い世代はデジタルにより慣れている大人が増えるわけですから、どこかで電子書籍が紙の書籍を逆転するときがくるかもしれません。

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投稿者プロフィール

RumiTamaki
RumiTamaki
マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。

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