出版物の質はどうなっちゃているの?

昨年のDeNAによる「Welq」などのコンテンツの質の低さからWebサイト閉鎖問題になったことに続き、今回は、大手KADOKAWAが出版した「信長本」の校正ミス。

30カ所以上ミスがあったというから驚きです。
ニュースで出回っている情報によると、

  • 地図上の「岐阜市」と表記されている場所が三重県にあるように書かれていた
  • 羽島郡岐南町と笠松町が愛知県となっていた
  • 「岐阜バス」とすべきところが「岐阜バスバス」となっていた
  • 「廃グレードホテル」
  • 「美濃人物伝」では人物名と紹介文が入れ違っていた
  • 金華山のコーナーでは昭和4年が1828年となっていた

などでした。

単なる誤字脱字ではなく、元の原稿そのものが全然正確じゃないですよね。誰が原稿を書いたんだという問題もあるし、校正も、裏付けを取っていないのか?と疑問です。

このミスが確認不足によるものなのか、誤って校正前のデータが印刷所に流れてしまったのか不明ですが、それにしても、編集が入稿まできちんと管理をしてれば、こういったトラブルなないはずです。

本としての最低限の質を保つのは当然。誰が書いたの?

出版物は、「本としての最低限の質」を保って当然。
最低限の質とは、

  • 誤字脱字がなく
  • 暴力的な表現・差別用語などの不備な点がなく
  • きちんと読みやすく伝わっていること、
  • 正確な情報であること(裏付け情報がとれていること)

というようなことで、公衆に向けて発信するには最低限の基準です。

私が最近気になるのは、クラウドでライターと名乗る素人が1文字1円程度の金額で記事を書く仕事をしていること。

なんとなく書けるから、なんとなく書いてそれを仕事にしている素人ライターさんも多いです。
こういった原稿も、もしかしたら安価で原稿を引き受けるクラウド経由のライターなどが書いていたとしたら、こういった間違いは起こってもおかしくないでしょうね。

なぜなら、プロのライターだったら、まず、原稿を提出する前に、きちんと推敲をし、事実確認もしてから責任を持った原稿をあげるのは「あたりまえ」のことだからです。

で、それは、ちゃんと出版社や新聞社などからお仕事をいただいて仕事をしてきているのならば、クォリティに対してプライドだってあるはずです。

1文字1円で原稿依頼をする危険性

また、プロは1文字1円などで、絶対に原稿を引き受けることなどできませんし、しません。
だから、校正ミスの前に、上記のようなおかしな原稿が出てきていることが自体が不思議でなりませんね。

想像ですが、この問題は、素人ライターが適当に調べて書いたのでは?と思います。

文章は後に残っていきます。Webでも印刷本でも、電子書籍でも、ずっと残るものなのです。

だからこそ、最低限のことを守ったものを作っていかないとなりません。

こういったモラルの低下が招くのは、間違った情報による人々の混乱や被害です。

こういった問題は、出版社がもっと声を大にして改善を図っていく動きを出してもいいのじゃなかと思いますけどね。

こんな小さなサイトで、私のような末端のライターがここで書いていたとしても、伝わらないですからね。

あ、でも、そういえば、私、過去にこのことちゃんと発信していました。新聞で!

夕刊フジ:「電子書籍を出す際に注意したいポイント 「本」として最低限の質を保っているかチェック」
文責:テクニカルライター 傍嶋恵子

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20160714/ecn1607140830001-n1.htm

電子書籍を書く際の注意事項として書いた記事ですが、大事なことなのです。ホントに。

アメリカのFAKEニュース問題じゃないけど、嘘の情報であっても、人々は信じちゃいます。人々は混乱します。それがひどくなって、トランプさんが大統領になっちゃうというような事態が起こっちゃったんですね。メディアって本当に気をつけて発信しないとならないですね。

これを読んでいる皆さんも、ご自身のブログなどを書かれるときは、いろいろ気をつけてくださいね。

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投稿者プロフィール

RumiTamaki
RumiTamaki
マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。

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