【おすすめ本】売れ続ける理由ー一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法ー/佐藤啓二著

売れ続ける理由ー一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法ー

売れ続ける理由

画像をクリックするとAmazonへ

マーケティングについて学べる何か良い本はないだろうか、と探していてみつけた本。

「売れ続ける理由ー一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法ー(さいち代表取締役 佐藤啓二著)

仙台のはずれの小さなスーパーに、有名企業から視察研修に来るほどのすごい経営法と書いてあるので、ちょっと面白そうなので読んでみました。

「秋保おはぎ」という商品名の「おはぎ」を求めて全国からお客様がやってくるのですから、どんな店なんだろうと思いますね。

発行が2010年なので、ちょっと前の本ですね。

我欲がない、お客様目線に徹底した経営手法とは

このお店の素晴らしいところは、本当にお客様の幸せと従業員の幸せのために利益を出すことを目標にして、ブレずにやってきていることです。

なんといっても、この経営法には、「我欲」がありません。

「売りたい」、「儲けたい」、「規模を大きくしたい」、「でっかくなりたい」といった経営者にありがちな欲など、この”さいち”の社長さんは持っていません。

このスーパーは、おはぎを含めて、お惣菜だけで50%の売上を締めるそうなのです。通常のスーパーでは、お惣菜は10%程度だというので、どうしたら50%も売り上げることができるのか、ということを知るために、同業者の企業、大小関係なく、視察に訪れるそうです。

しかも、研修は無料。お惣菜の作り方から無料ですべて公開しているというのですから、驚きですね。

本を通して一環して気持ちが良かったのは、お客様のことを中心に考えていることと、経営陣の考えがブレていないというところです。

そして、社長のモットーが、「共存共栄」で、取引先とも「お互い様」の精神で、今で言うWinWinの関係を築けているところです。その精神で、自分の店のノウハウを大企業のスーパーの社長さんなどの経営陣にも惜しみなく無料公開しているのですね。

といって、ここは、家族経営の小さな会社です。

この店を立ち上げたときは、いろいろ苦労もあったようです。チラシを打ったり、他店と競争したりと一通り経験をされたようです。が、そんな手段をやめたら利益があがったというのですから、商売の発展は、手段ではないのだな、と感じました。

そして、さらに驚いたのは、あの広告がまったく無欲だったこと。

あの広告とは、本の表紙の写真にもなっている、「原寸大のおはぎの写真」だけの広告。この広告を新聞の1面に出したそうなのです。出した理由が、年内の予想利益が高かったため、年度内に、利益を使いたかったからというだけで、おはぎを売ろうとすることなど頭になかったそうです。

「これが秋保おはぎだ」とわかってもらえればいい、ただそれだけ。最初は住所も載せるつもりはなかったそうなのですが、それはダメだといわれ、虫眼鏡で読めるぐらいの小さな文字でで仕方なく住所も載せたそうです。

そしたら、これが大当たりして、売上拡大。さらには、欲のない広告が、広告大賞を受賞したというのですから驚きですね。

でも、「これだけ知ってもらえればいい」と究極に絞り込んだ思いがあれば十分に人に伝わるものなのだ、と読んでいて面白かったです。

徹底した従業員教育もすべてはお客様の幸せのため、従業員の幸せのため

でも、この経営者の考え方がこの店の売上を大きくしているのかと、本の前半ではそう感じましたが、読み進めるうちに、考え方だけではなく、その裏には相当な努力と工夫があることがわかりました。

何よりも、従業員教育に力を入れていて、接客の研修も力をいれて行っているのです。店の周囲には旅館があり、旅館の従業員は必ずプロの接客をしているわけなので、その流れで自分の店に来た場合に、お客様は、同様な接客を期待するものだ、だから、従業員にも同様な接客研修を行っているというもの。しかも、全従業員に対して。

すべては、お客様に気持ちよく買い物をしていただく、「おいしい、また食べたい」と思ってもらえることを目的として、徹底しているのです。

個人事業でも取り入れたいプロの姿勢

さて、この本は、個人事業や小さな会社のマーケティングを見直すには、最適だと感じました。

実際、この本のような小売店をやっているわけではないので、すべてが当てはまるわけではありません。しかし、形は違っても、自分の仕事をプロとして全うするときの大切な考え方が、この本には凝縮されています。

たとえば、本の中で、「お惣菜づくりに職人の料理は不要」と言い切り、「あの店の調理場でこんなことをしていた」「あの調理の先生を知っている」といった人は雇わないと言っています。

雇う人はゼロになれる人。

それは、自分流の味で料理ができる人を求めているのではなく、「さいちの味を再現できる人」じゃないとダメだというのです。

つまり、プロとして商品を作る際、「自己流はダメ」と言っているのです。

この「プロとして徹底した精神」というのは、個人事業の方にはとても必要なものであるはずです。もちろん、小さな会社でも。

また、無料でノウハウを提供することは、何ら不利益なことではないということもこの本は教えてくれます。

不利益になるどころか、ノウハウを伝えることは、さらにこちらが力を伸ばすことができる、勉強にもなるし、励みにもなる、とプラスにしかならないというのです。

なぜかというと、「おしいく作って長く売れる」ことが目標だから。

宣伝や販売の工夫で、一時的な売上を狙うことは目標ではないと言いきっているのです。

 

これは、Webマーケティングに置き換えて考えることができます。

たとえば、Webサイトでコンテンツを無料で提供することは、一見、「自分のノウハウを無料で出すことはもったいない」と思うかもしれませんが、情報を提供するには、こちらも情報の確認や予備知識を増やさなければなりません。こちらが提供する知識を再確認するだけでなく、伝えるために足りない知識を補うことで、さらに勉強をします。

すると、情報提供すること考えていくと、より専門家として成長していくことができるということですね。

私も、マーケティング出版コンサルタントと名乗る以上、もっとマーケティングについても情報提供していきたいと思い、こうして、新たな情報をインプットしています。

インプットしたことをアウトプットすることで、1つ成長できているはず。

小さな会社、個人事業で企業を手堅く成長しながらやっていくとしたら、この本で書かれているような「ぶれない、競争しない、リピーターになってもらう」というのが、キーワードになり、さらに、「成長を続ける」ことも大きなキーワードです。

そして、それを戦略的にやるというよりは、心を込めてお客様のことを考えて、コツコツと努力を重ねて動いていけば結果はついてくる、ということではないかと思います。

良書でした。

Follow me!

投稿者プロフィール

RumiTamaki
RumiTamaki
マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。