在庫所持不要のPOD(プリントオンデマンド)出版について

琉美さん、POD出版でどんな出版なのですか?
お客様
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環木琉美
環木琉美
POD出版は、本の受注生産方式で本を販売する出版方法のことです。ここで詳しく説明していきますね。

POD出版とは

琉美さん、PODの何の略なのですか?
PODは、Print on demand の略です。需要があれば印刷をするという意味ですね。印刷業界では、一般的にオンデマンド印刷と呼びますね。
本を1冊から印刷できるんですか?すごいですね!
すごいでしょ!だから、AmazonのPOD出版は、注文が入ると、注文数だけ印刷をして、製本して、注文者に送るのです。
じゃあ、最初に本を大量に印刷しなくても良いってことですか?
そうなのです!普通は、本をあらかじめたくさん印刷してそれを販売しますが、POD出版では、最初に印刷をしておく必要はなく、本の表紙と原稿データをAmazonに送っておけばいいのですよ!
すごい画期的ですね!
Point
POD印刷とは、Print on demand印刷の略称で、データがあれば、必要なときに必要なだけ印刷することができます。デジタル印刷専用機器を使うこのPOD印刷では、書籍を1冊から印刷することができます。AmazonのPOD出版は、このPOD印刷を活用した出版方法です。

AmazonのPOD出版はコストを抑えた出版ができる

琉美さん、質問!最初に印刷しなくていいなら、本を出す人は、印刷費はかからないってこと?
そのとおり!著者にとっては、ほんとにお得なシステムなのです。普通、小冊子を配布しようとすると、自分で作って印刷に出しますね。すると、印刷コストは結構かかります。でも、この印刷コストが不要なのです!
でも、実際には印刷するわけなので・・・誰が印刷費を出すのですか?Amazon?
これ、あまり言いたくないけど、印刷費は、本の定価に含まれているんです。だから、簡単に言うと、印刷費は買う人が負担(笑)
え?そんなのあり?
アリですね!実際に、自分で小冊子を印刷した場合と比べると、え?と思うかもしれませんが、書店に並んでいる本は、売ることでこれらの経費を回収するのですからそれと同じです。
POD書籍の定価には、その本を印刷する費用だけでなく、Amazonの手数料や著者の取り分も含まれます。だから、1冊の定価はちょっと普通よりも高めです。
Point
POD書籍をAmazonで販売する場合、一般的に、印刷費や販売手数料(定価の一定割合)などの経費は、定価に含みます。定価をつける基本の計算式は決められていてます。印刷費は、ページ数やモノクロ、カラーによって違ってきますが、経費がかかればそれだけ定価があがることになります。また、当然ここに、著者の取り分も含めることができます。著者の取り分を多くすれば、価格はやはりあがります。したがって、POD書籍は、オフセット印刷にした書籍に比べると比較的定価が高めになります。
だとしたら、買うのをためらう人っているんじゃないかしら?
確かに。でも、著者は、まとめて買うと、定価の30%~40%割引で取り寄せることができますよ。自分のお客様に直接手渡ししたり、セミナーなどで売ったりするには、こうしてまとめて著者が取寄せれば良いですね。著者は、このシステムを上手に活用すればいいのです。
なるほどー!じゃあ、無料で配布したいと思ったら、著者は、自分で購入して配布すればいいということなんですね。それでもって、Amazonの書店にも並ぶのならば良いですね。
Point
POD出版は、紙の書籍を実現しながらも、著者のコスト負担を最小限に抑えることができます。AmazonでPOD出版をしておけば、手元に本が欲しいときは、ある程度まとめて著者割で購入することができます。
POD出版した書籍イメージ

POD出版した書籍イメージ。表紙はツヤなしを使用。この場合、ページ数は、128ページ。背表紙の厚さは約8mmです。

 

著者は本の表紙データと原稿データを用意すればいい

印刷しなくてもいいということはわかりました。では、POD出版するとき著者は何を用意すればいいのですか?
えっと、本の表紙(表、背、裏)のデータとレイアウトが済んだ原稿データです。
それだけ?
はい、これだけ。でも、表紙データもレイアウトデータも、業者からの指示通りに作成する必要がありますね。
じゃあ、自分で作るのは難しいのですか?
うーん、やってやれないことないのですが、デザインやレイアウトはプロに任せたほうが良いと思いますね。
そうですね。人に手渡したときも、見栄えがいいと印象が違いますね。
はい、本の表紙の印象や中の印象もとても大切です。
Point
POD出版は紙の書籍ですから、どうしても、表紙データとページレイアウトを施した原稿データが必要になります。ここは、コストがかかるところですが、プロにまかせたほうが、見栄えが良い本に仕上がります。

POD書籍の体裁は読者にやさしい

この前、POD出版をした人から本をいただいたのですが、本にカバーがついていなくてびっくりしました。海外の本みたいでした。
PODによる書籍は、仰る通り、本のカバーがありません。ソフトな厚紙が表紙になっていて、中に使っている紙も、一般的な上質紙です。
普段、本屋さんで見書ける本は立派ですけど、なんだか見劣りする感じがしちゃいますが・・。
はい、私も最初はそう思いました。でも、不思議なもので慣れると気にならなくなります。コストをかけずに、必要部数だけ印刷できるのですから文句は言えません。でも、AmazonのPOD出版では、表紙(ツヤあり、ツヤなし)と中の紙の色を指定できます。この選択によってはイメージが違ってきますね。でも、カバーは無いほうが、むしろ扱いやすいです。本も軽いので、なかなかおすすめです。
でも、「ペガサス出版」の前身、「でんでんむし出版」で印刷された本って、カバーがついていませんでした?あれは、見栄えが良かったです。

オフセット印刷で印刷した一般的な書籍。カバー付き。

表紙カバーをつけるときは、表、背、裏の表紙だけでなく、折にもデザインやデータが施されるので、カバー制作費はコストがかかる。

カバーを取ると、中のカバー印刷は簡易的である。

ありがとう!実は、あれは、オフセット印刷という一般的な印刷方法で製本した本なのです。その分、コストはかなりかかっていますよ。オフセット印刷というのは、大量に刷れば印刷コストを抑えることができます。たとえば、50部刷れば割高ですが、300冊、500冊、1000冊・・と刷っていくと、印刷コストはそれほど変わらなくなってくるのです。まだ当時はPOD出版ができる体制ではなかったので、あのような形式で出していましたけど、在庫を自分で抱えることになるので、保管場所が必要になります。オフセット印刷では、カバーデザインやカバーの紙を立派にして本の見栄えをコントロールしています。
ああ、そうか。たくさん刷るならお得なんですね。でも、Amazonで出版はできませんよね?
はい。だから、最初から1000冊ぐらい配布できる目処がたっているのならば、PODよりも一般的な印刷方法で本を作ったほうが、総合的なコストは抑えられるかもしれませんね。オンデマンド印刷よりも良いかもしれません。

また、印刷した本をAmazonで販売することは、Amazon出品サービスで手続きをすれば可能です。ただし、それも本の出版には違いないのですが、手続きが、物販の手続きになります。ですから、年会費とマージン、さらに本の販売はカテゴリー成約料などもかかってきます。Amazonでの在庫管理も必要になりますから手間とコストがかかりますね。それをやるなら、やはりPOD出版のほうが何から何まで手軽です。

いろいろ販売は面倒な手続きなどが必要になるんですね。
そうですよ、だから、すでにあるシステムを簡易的に使っていったほうが、手間もかからないのです。本の体裁ももちろん気になるかもしれませんが、それは、著者のこだわりに過ぎないかもしれません。案外、読者の方は、カバーがなくても、紙が少々悪くても、興味を持てば買いますからね。その証拠に、最近、コンビニにもAmazonのPOD書籍はたくさん並んでいるのを見かけます。こうった露出で、人は割と、POD書籍になれ始めているのではないかと思います。

POD書籍の厚さ。ページ数128ページ。約8mm。

POD書籍の厚さ。208ページ。約14mm。

Point
POD出版された本は、並製本でカバーがありませんから、最初は、少し抵抗があるかもしれません。本屋に並んでいる書籍よりもカバーが無い分、見劣りするかもしれません。

しかし、この体裁は、実際に手にしてみると、それほど抵抗はありません。むしろ、持ち運ぶには適切です。当事務所が推奨するマーケティング目的の本では、ページ数にして100ページ程度ですから、本の厚さもありません。実は、これは、読者には喜ばれる体裁なのです。

なぜならば、本が薄く、軽いので、カバンの中に入れて持ち運んでも邪魔になりません。また、文字の大きさも比較的大きく読みやすくレイアウトを組みますので、手軽に読める印象を与えます。たとえばセミナーを開催して、受講生の方に本を持ち帰ってもらったとしても、それぞれが帰りの電車の中などで、気楽に開いて読むことができるのも特徴です。

皆さんは、商業出版をした知人から本を献本された経験はないでしょうか?しかし、本が厚くて重さがあると持ち運ぶのも負担になりますから、そのまま机の上に出したまま、ついつい読むのを後回しにしてしまいがちではないでしょうか。

一方で、本の持ち運びに負担がなければ、カバンに入れて時間があるときに読もうという気持ちにもなるものです。言葉を変えると、POD出版された本は、読者に優しい本の体裁なのです。これであれば、最後まで読んでもらう可能性も高くなるのです。

POD出版は本の制作コストを大幅に抑えることができるが、仲介業者が必要

ところで琉美さん、このPOD出版で誰でも利用できるのですか?
残念ながら、POD出版は、電子書籍のKDPと違って誰でもというわけにはいきません。これは、業者を通さないとならないシステムです。最近は、当事務所のように個人向けにPOD出版サービスを提供する業者がありますが、私たちも、Amazonと直接の契約をしているわけではありません。紙の書籍の流通はバーコード付けたりといろいろあり複雑ですね。だから、まあこちらに任せてくださいね。
Point
Amazonでは、注文があれば著者から預かっている本のデータを印刷し、製本して受注者に本を送付するPOD(プリントオンデマンド)出版のシステムがあります。このシステムは、自分で出版が可能な電子書籍出版システム(KDP:Kindle Direct Publishing)とは違い、Amazonが直接個人に提供するものではありません。

基本的に、これを利用するには、代行業者を通す必要があります。代行業者とAmazonの中間には大手の出版社が介在する必要があります。

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投稿者プロフィール

RumiTamaki
RumiTamaki
マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。