出版営業に気をつけて!自分で書いた本の見本ができても開きたくない!?
目次
出版に編集はつきものです
こんにちは。マーケティング出版コンサルタントの環木琉美です。
上記の会話は、手当たり次第にブログを書いている人へ営業をし、取材という名目で合うことを取り付け、”企画を通します”などといって相手をその気にさせて本を出版させる手口の出版社で書かれた方の事例です。
Aさんは、本を書く前はきっとワクワクしていたのだと思いますが、本を書く過程で、孤軍奮闘して、苦しい思いをしてしまったようです。
この出版社は、現在はどうか知りませんが「編集者」がいませんでした。そのかわり、「担当者」はついていたようですが、この話を聞く限り、編集の仕事は全くしていないのでしょうね。
本の制作には、「編集者」は必須です。編集者は、本を編集して仕上げていく役割をするわけですから、著者の本の方向性を確かめたり、著者が困っていたら、アドバイスをしたり、励ましたりとすることも時には必要になります。
実際に、細かい執筆指導は編集者の仕事ではありませんが、編集者は、著者の本の第一の読者でなければなりません。
Aさんのように、なんとか本を出版したとしても、出来上がってきた見本を開きたくもない、見たくもないと思ってしまったとしたら、とても残念なことですね。
商業出版ではなく、自費出版で高額なお金を払ったのに、黒歴史になってしまっていいのでしょうか。
こんな、「人を騙して契約してただ作るだけ」の出版社に騙されてはいけません。
出版社の見極め方
自費でもいいから本を出版したいという方はたくさんいますが、1つ気をつけて欲しいのは、安易に「本を書きませんか?」という営業に乗らないことです。
たとえば、
「あなたのブログを読ませていただきました。とてもよく書かれていて、おもしろいですね。そこでどうです?当社では、あなたのブログのテーマのシリーズ本を手掛けようとしているのです。当社で本を書いていませんか?」
こんな営業をされたら、悪い気はしません。「ブログを読んでくれている」というところに、まず嫌な気分はしないと思います。
そして「よく書かれている、おもしろい」と相手が興味を持って、「本を書きませんか?」と誘ってきたとしたら、半信半疑かもしれませんが、「もしかして、私のブログが本になるの?作家になれるの?」と、どこかで期待をしてしまうものです。
さらに、「本を書く」なんていうチャンスは、めったに転がってくるものではありませんから、これは「人生のチャンスかもしれない」と、ぐわーと夢を抱いてしまうこともあるのですよね。
そんな状態のときに、「ぜひ、お会いして取材させて欲しい」と言われたら、「認められた」という感覚を味わうでしょうし、絶対に悪い気にはならないと思います。
ま、しかし、これは儲け主義出版社の常套手口ですね。
で、実際に取材だなんて出かけてみると、取材らしき会話はするのかもしれませんが、「本の企画を出してみませんか。」とか、「Amazonで企画を通しますよ」と嘘を言って、その気にさせるのです。
著者が企画を出してきたら、「企画が通りましたー」、といって喜ばせて、契約を結ぶという形です。
この「出版」、「企画を作る」「企画が通る」という言葉は、なかなか耳障りがよいです。
新たな人生の扉が開くような錯覚を引き起こす雰囲気がありますね。
けれど、多くの人にとっては、出版は「別世界」ですから、業界に対する知識がありません。
だから、「嘘」を言われていることも見抜けず、自分が乗せられていることも見抜けない方も多いのです。
この場合の嘘は、「Amazonで企画を通しますよ」という部分です。Amazonは、電子書籍もプリントオンデマンド出版も可能な書店ですが、Amazon側が、あがってきた本の企画を精査して出版していいよ、などとは言いませんし、そういうことをやっている事実もありません。
だから、まず、調子のいいことを言ってくる出版社には要注意です。
また、このような「大嘘」をついて平気で勧誘するのは、詐欺ですね。
もちろん、原稿をあげれば本は出版されますから、詐欺とは言えないかもしれません。
しかし、あなたの本が、悪名高いことで評判の出版社から出ていたら、読者はどう思うでしょうか?
「あ、あそこに騙されて契約しちゃったんだな」と見る人もいると思いますし、「自己満足の本ばっかだよな」、という印象を持たれてしまうこともあります。
本人は知らなくても、ネットで調べれば、詐欺出版社と言われることは容易にわかりますからね。
私も出版側の立場ですが、こんなやり方で著者を集めようだなんて思わないもの。
「人を騙す」のは、絶対にいけません。
小さくとも、真面目にやっている出版社もたくさんありますから、誠意ある出版社を選んでほしいものです。
編集者はあなたの本の企画をアドバイスできますか?
自費出版社というのは、基本、原稿をもらって、本を制作します。自費出版社にも種類がありますが、基本は同じです。
大手の紙の自費出版社では、100万円単位で年間執筆サポートを提供しているところもありますが、基本、著者への執筆を指導するようなところはありません。だから、本を出版するとしたら、自分で原稿を書きあげることができることが前提になります。
たとえ、それが自分本位の原稿だとしても、メッセージ性が薄いものだとしても、お金をもらっているんですから、著者の希望を優先して本を作ります。
紙の自費出版者がどんな手を使うかということは、また機会があったら書いていきたいと思います。
自費であろうと、良い本を出せる出版社は、「編集」をしっかりと行うはずです。
また、初めて本を書く著者に対しても、企画アドバイスができたり、著者が原稿をきちんと仕上げられるようにナビゲートしたりできるはずです。
同じお金を払うならば、良質な出版社を選んでいったほうが、後悔しなくてすみますね。
で、わたくし、ソバコは、商業出版でたくさんの本を企画・執筆してきました。だから、今、でんでんむし出版として、電子書籍やプリントオンデマンド出版をしたい著者に対して、手厚いサポートを提供できています。
私の出版に対するビジョンは、「必要な人にきちんと読まれる良質な本を作ること」です。
だから、規模を大きくせず、ひとりひとりに、執筆段階から丁寧に寄り添うことを目的としています。
自分が本を書いているからわかることは、執筆段階で自分自身がある程度満足できていないと、出来上がった本は、開きたくないものになるということです。
決して内容が悪くなくてもです。ですから、冒頭のAさんの気持ちはものすごくわかります。
そんな著者のエネルギーが低下していては、本のエネルギーは人々に届きません。
私は、そんなエネルギーの低下を招くような本は絶対に作りません。
もし、わたしが、ブログなどを読んで本の出版を勧誘するとしたら、簡単でも、こちらから本の企画を提案します。
相手の持っている素材をどういう形で本に表現するのかをアドバイスできなければ、良い本を作ることはできませんね。
そうなると、正直、誰かれかまわず営業はかけられないのです。確実に、良い素材を持っている、人々に伝える価値のあるものをきちんと発信している人でなければ、本を書きませんか、とは、私は言えません。
だから、ほとんど営業はしません。
要するに、こちらも著者を選ぶということです。
それは、文章がうまいとか、ブログが充実しているとか、そういうことで判断するのではありません。
本を書きたいという人の話を聞いて、本を書くことができるものを持っているか、また、人間性を見て判断しています。
自費出版社の多くは、完成原稿をもらって本を制作すること
結論を言うと、本を書くならば、第三者の視点を通すことは必須です。そして、的確な指摘をしてくれる人も必要です。
ところが、実際、電子書籍やPODで本が出せるとうたっている出版社の多くは、「編集」作業を行いません。
原稿はあなたが書いてね。こっちは作るから、というスタンスのところがほとんどだと思っておいてください。
実際、出版業界出身の人がやっていたり、出版業に精通している人が関わっていたら違いますが、まったく本も書いたことがないような人が、ただ儲けるためだけのビジネスでやっているようなところもありますから、注意が必要です。
じゃ、原稿は一体どうやって仕上げればいいの?
冷たいようですが、やはり、自分で原稿を書くしかない。出版社が原稿を書いてくれるわけではありませんからね。
わたしのところでは、原稿をゼロから指導しています。だから、声をかけていただければ、指導させていただきます。
が、わたしも、限界がありますから、より多くの人に、良い本をもっと気楽に書いてもらいたいという思いをこめて、このブログをはじめました。
どれだけ情報が提供できるかわかりませんが、いろいろな側面からアプローチして、本を書きたいと思っている方をナビゲートできればと思っています。
投稿者プロフィール
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マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。
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