推敲で文章の無駄を減らすコツ
ときどき、コンテンツマーケティングを意識して活動をしている会社から、独自にリライトのお仕事をいただきます。
リライトの仕事をしていると、書き手の文章のクセであったり、文章のリズムの良し悪しも客観的によく見えてきます。
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無駄な文章が入ることで、言いたいことがストレートに伝わりにくくなる
リライトする元原稿を読んでいていつも思うのは、やはり専門分野の記事ばかりですから、内容は素晴らしいということです。ある程度の分量の記事を書くことができるということは、持っている材料が豊富にある証拠ですし、また、その人がどれだけ経験を積んできたかということも、文章にあらわれています。
1つ残念だな、と思うことは、「無駄な文章が多いために、伝わりにくくなっている」というところでしょうか。
文章の中に、無駄な文が紛れ込んでいるために、言いたいことが、ストレートに読者に伝わらなくなっているです。
せっかく良い内容なので、ストレートに読者に届けていきたいものです。
素材を活かすために、言いたいことはシンプルにスッキリと!
リライトすると、だいたい最初の全文字数が、ごっそりと減ります。
なぜなら、1つのテーマを伝えるのに、複数の内容が盛り込まれているため、不要な部分を取り除くと、言いたいことはシンプルなことだからです。
ただ、リライトの場合は、言葉を補足してわかりやすることも多いので、最終的には文字数バランスはそれなりにとれていきます。
しかし、同じ文字数でも、きちんと文章が整理された状態と無駄が多い文章で書かれている状態では、内容の濃さが違いますね。
だから、文章を書いたら、必ず推敲が必要です。
推敲は、何度も繰り返し、文章を吟味していかなくてはなりません。
では、どんな視点で文章をチェックしていけばいいかわかりますか?
無駄な文章を排除する推敲の仕方
推敲する項目はいろいろありますので、どのような順序でも大丈夫です。
が、「文章の無駄を無くす」ことが目的であるのならば、
「余分なこと書いていないか?」
という視点で見ていってください。
「余分なこと」とは、伝えたいテーマに対して、あってもなくても伝わる情報と考えれば良いでしょう。
たとえば、下記のような文章があります。
ダイエットをする人に向けて、なぜ太るのかを説明しています。書き手は、「太るしくみ」を簡単に伝えいたいと考えています。
(修正前)
「中年になってなぜ太るかというと、代謝が年齢とともに落ちていくからです。一方で、代謝が落ちていることに人はあまり気づきません。あなたも覚えはないですか?最近、お腹が出てきた、以前よりもあまりお腹が空かなくなったなどの症状。それは、代謝が落ちている証拠。代謝が落ちているのに、今までと同じ量を食べる続けていたら、エネルギーが余ってしまいます。これが、脂肪として蓄積されてしまうのです。夜に甘いケーキを食べていませんか?糖質は肥満の原因を作りますから気をつけましょう。」
一読すると、なんとなく意味は通じます。これのどこが悪いのだ?と思うかもしれませんが、悪いのではなく、無駄が一杯ある文章です。文字数は稼げていますが、ストレートに「太るしくみ」が伝わってきません。「太るしくみ」を読者に伝えたいわけですから、私ならば次のように、まず無駄を省きます。
(修正後)
「中年になってなぜ太るかというと、代謝が年齢とともに落ちていくからです。一方で、代謝が落ちていることに人はあまり気づきません。代謝が落ちているのに、今までと同じ量を食べる続けていたら、エネルギーが余ってしまいます。これが、脂肪として蓄積されてしまうのです。」
どちらが読みやすいですか?
とうぜん、後者のほうがスッキリと頭に入るはずです。
しかし、書き手は、知識が頭の中に一杯あるために、あれれもこれもと伝えてしまうのです。サービス精神旺盛な人は特に、自分の知識を全部教えようとしてしまいがちなのです。
気持ちは嬉しいですが、一気にいろいろ伝えられても、読者の頭は理解できません。
また、「太るしくみ」を説明しようとしているのに、余分な言葉を入れることで、最後がまとまらず、内容がぶれてしまいます。
特に、「夜に甘いケーキを食べていませんか?糖質は肥満の原因を作りますから気をつけましょう。」の部分は、不要です。この話は、「なぜ太るのか」のテーマにそぐわない内容です。これを書くならば、「肥満を防ぐ方法」とうテーマを追加しなければならないですね。
さらに、もっとお化粧すれば、次のような言い回しもできます。
中年になって太る原因の一つには、代謝が年齢とともに落ちていることに気づかずに、今までどおりの分量を食べ続けてしまっているということがあります。体の燃焼効率が悪いのに、エネルギーを追加し続けたら、当然、エネルギーは余っていきます。それが、脂肪となり体の中に蓄積されていってしまうのです。
ポイントは、1つの事実をスッキリと伝えることを意識することです。
ただ、いきなり整った文章を書くことは、プロでも難しいことです。
まずは、修正前の文章のように、書きたいことを書き出してください。そして、そこで終わるのではなく、文章に無駄がないかを見直すのです。無駄な文章を省いたら、最終的に、すっきりと言葉をまとめ直すします。
伝えることがたくさんある場合は、見出しを活用する
さらに、あれもこれもと伝えたいのならば、「小見出し」を活用して伝えていく手法を使って、まとめなおしたほうが良いでしょう。
たとえば、最初の文章も、つぎのように見出しを付けて、それぞれの文章に肉付けをしていけば、1つの立派な記事になります。
見出し例)
- 最近こんな症状ありませんか?
- 私たちが中年になると太る理由
- 夜のおやつは控えめに
伝えることをコンパクトにまとめることを意識して、文章を整理していけば、スッキリと伝わるはずです。
伝えたいことに対して、話を脱線させずに、ストレートに無駄なく伝えることを意識していくと良いでしょう。
最初から完璧な文章を書くことはできません。まずは、書いてみて、無駄な内容はないかと意識してチェックし、修正するという手順で推敲していきましょう。余力があれば、無駄な文章を取り除いたあと、もう一度文章を書き換えてみると、もっとよくなるはずです。
投稿者プロフィール

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マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。
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