【電子書籍マーケティング6】読者が手にしやすい電子書籍の価格を決める
マーケティング出版コンサルタントの環木琉美(たまきるみ)です。
今回は、「電子書籍活用でマーケティングを成功させる9つのポイント 」で紹介している「Point6.読者が手にしやすい電子書籍の価格の決める」
について詳しく解説していきます。
Table of Contents
読者が手にしやすい電子書籍の価格とは?
電子書籍の価格設定は、なかなか難しいものがあります。
価格を高くすれば、それだけ印税率が高くなりますが、価格が高いと、買うことを躊躇する読者も増えることは確かです。
特に、マーケティングで使用する電子書籍を少しでもたくさんの人に読んでもらいたいと思うのであれば、価格はやや低めに設定したほうが良さそうです。
価格を決めるポイントは、まず、内容と価格が比例することです。
基本は、読者が、支払った金額以上の満足を感じられるかどうかですです。
本の内容が丁寧で、読者が知りたい情報を十分に得たと感じられれば、価格が高くても納得します。
一方で、内容が価格に比例せず、高いわりには中味のない内容、サービス誘導編の内容でしかないようなものだとしたら、読者は不満がたまります。
逆に、内容が良い上に安いのはかえって喜ばれることもあるかもしれません。
99円販促電子書籍に怒りがこみ上げた事例
過去にこんなことがありました。
販売促進を目的とした電子書籍が99円で売られていました。表紙やタイトルは立派。商業出版される本とそれほど遜色のないイメージでした。また、内容も目次を見たら9章の構成で、「知りたいな」と思うことが書いてありました。
こういう書籍を買おうという心理は、たとえばそれが集客をテーマにしたものならば、その集客をどのように展開しているのか具体的なところを知りたいところです。もっとも、販促書籍ですから、最終的にはコンサルティングなどを受けさせることが目的ですから、肝心な部分は書いていないかもしれません。
9章もあるのだから、ほどほどに内容が濃いだろうと期待して買ったところ、内容は、とてつもなく薄かったことでした。
結局、2~3ページで1章。それが20ページ程度で9章の構成になっていて、章というよりは、このブログの1つの見出し程度で1章とされていました。9項目しか書いていない、と言ってもよいでしょう。
しかも、その20ページでこちらが知りたい情報が書いてあったかと言うと、皆無です。単なる、無料動画への案内でしかありませんでした。
無料動画は、見るのもアホらしくなって見なかったのですが、本の読者コメントを読むと、その本に書いてあることと同じことが動画で述べられているだけで進展なし、ということでした。
結局、そのサービスの詳細を知るには、もう一歩、深く入り込まないとなりませんでした。では、そこへ入り込みたいかと言うと、情報が少なすぎるので、信用をおけませんでした。入り込んだら、高額セミナーなどになるんだろうな、と。
もちろん、こういった電子書籍の使い方はありかもしれません。
しかし、99円と言えども、それに匹敵もしない、無料のでも良いと思えるものにお金を払ったことに対しては、怒りがこみあげてきました。
完全に読者をバカにしています。
このとき思ったのは、やはり、99円という安価な定価をつけることは良くないな、と。
表紙とタイトルは立派。それだけではダメですね。
このように、価格と中味が比例しないと、読者は不満がたまります。
ましてや、この著者(著者とは言えない)のサービスを受けようと思わないし、二度と関わりたくもないと思うものです。
また、読者コメントには、良いコメントがありましたが、評価の低いコメントがたくさん並んでいました。ここに書いたような不満コメントです。結局、良いコメントは、出版時に仲間内で書いたのだろうとしか思えません。実際に、99円支払った買った人のコメントは、不満コメントに尽きると感じました。
このように、不満コメントを書かれることは、マイナスでしかありません。このサービスは、あちこちで広告を見かけるので、ずっと広告を出し続けているのでしょうが、数撃ちゃあたる戦略なのかもしれません。
実際に、そのサービスがどんなものかはわかりませんが、マイナスなコメントを書かれては、そこで信用が落ちてしまいます。
いっそ、無料の電子書籍だったら、文句も出ないし、こんなものか、で済むでしょう。また、内容に興味があったら、もう少し知ってみようと進む気持ちにはなれるかもしれません。
本の内容と価格のバランスを大切にする
このように、本の内容と価格のバランスはとても大切で、バランスが崩れると、信頼を無くすことにつながりかねません。
逆であれば、信頼はむしろアップするかもしれませんが、ほどほどのところで価格をつけていきたいものです。
私が推奨している電子書籍にちょうど良い分量35,000字程度(100ページ~120ページぐらい)のものであれば、コンテンツとしては、十分に訴求できるしっかりとした内容のものになります。
すると、500円程度は最低でもつけていったほうがいいのではないか、と私は考えます。
内容が十分にしっかりとしていれば、500円の価値は十分にあるはずです。
kindleのKDPセレクトでは、途中で、無料キャンペーンを行ったり、一時的に価格を下げたりすることができるので、うまく活用して、動向をさぐってみると適正価格が見えてくるかもしれません。
投稿者プロフィール
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マーケティング出版コンサルタント 環木琉美(たまきるみ)
ペガサス出版代表
2013年より電子書籍出版サービスを開始し、特に本の執筆支援を得意とする。テクニカルライターとして過去に商業出版で総部数60万部を出版。豊富な出版経験を活かして、現在は、起業家や小さな会社向けにターゲットを絞り、販売促進の本を提案している。情報化時代の信用・信頼につながる本を、ブログを書くように普通に皆が書けるようになる時代が来ることを願っている。
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